センス・オブ・ワンダー

「The Sence of Wonder = 神秘さや不思議さに目を見はる感性」

この感性は、つまらない鈍った日常を一新する解毒剤。当然のことながら、磨き続けなくては、衰え鈍ってしまう感性。ヒトが体験できるこの世界のよころび、感動、感激は、誰かと分かち合ってはじめて確かな経験となる、ヒトにとって必要な営みであること。(子どもにとってはことさらに。だって、新しい出会いや発見が初体験ばかりですもの。一緒にその感動を分かち合ってくれる大人がひとりは絶対に必要。大人もだけど。)日々、感覚、感性を問い直してみること。私が感じていることだけで、日々は成り立ってはいないのだし、退屈しているのは、自分自身の感性に対して退屈しているわけで、それは退屈なことだ。

子どもはこれからの未来を生きる人たちだ。まだ、誰も生きたことなない未来を。私たちの感性を、彼らに押し付けるのは時代錯誤なことなのかもしれないぞ。彼らと一緒に、私たちも感性を開いていく、新しく感じ直していくことが必要。この世界には、子どもがいなくちゃならない。神秘に目を見はって生きる人たちが。彼らから、センス・オブ・ワンダーが奪われてしまったら、私たちは「いのちの在り処」を見失う気がするのだ。なんか意に反して小難しくなってしまったのを反省しつつ、ぜひ、どこかで手にとってほしい一冊なのでした。

センス・オブ・ワンダー
レイチェル・カーソン著/上遠恵子訳
新潮社/¥1,400(税抜)/1996.7.25発行

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Susumu Fujita

20代から庭とこどもと本にとりつかれ、いまだその間を行ったり来たりしている。学生の時は旅人に憧れながらも、卒業後、土から離れられない農民になり、鶏と豚と野菜の中で過ごす。その後、札幌に戻り、絵本屋になる。庭プレス、ひげ文庫主催。