やまのかいしゃ

今日も朝寝坊した会社員のほげたさん。奥さんがにぎってくれたおむすびを手に、電車に飛び乗りますが、電車は会社とは反対方向へ。気づけば、足にはトイレのスリッパをはき、眼鏡やかばんも持っていません。やがて、山の駅に到着したほげたさんは、途中で出会った同僚のほいさくんとともに山に登り、頂上で仕事を始めますが……。ー出版社より抜粋

この絵本は、なんというか社会性のみあたらないサラリーマンの1日なのですが、お昼過ぎに出勤、電車を間違える、カバンを忘れる、靴じゃなくてスリッパ履いてきた、時計がおにぎりの具になってる、メガネもかけ忘れてるし……。結局、会社じゃなくてやまに出勤です。それにしても、片山健さんとスズキコージさん、このコンビたまらん!車窓からの景色もものすごい。「ドンキーコング?!あれ?カカシがいる!!コッコさんのカカシか?!」みたいなちょっと変態的な楽しみもありました。子どもと何回読んでも楽しいなぁ。
幼いときに読んでもらったときの記憶がなんとなくあります。3番目弟が好きだったような。「ほげたさん」は一回出会ったらもうわすれません。
架空社で、「やまの◯◯」シリーズというのがあるらしい。『やまのかいしゃ』は2作目。さて、1作目は何かピンとくる人は、僕と話が合いそうな人です。ぜひ、どこかで。

スズキコージ・さく/かたやまけん・え
福音館書店/¥1,620(税込)/1991.2初版(架空社),2018.5復刊(福音館書店)

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スズキコージ
1948年静岡県生まれ。絵本や挿画のほか、イラストレーターとしてポスター・壁画・舞台美術などでも活躍。絵本に『あつさのせい?』(福音館書店)や『うみのカラオケ』(クレヨンハウス)ほか、多数。『エンソくん きしゃにのる』(福音館書店)で小学館絵画賞、『やまのディスコ』(架空社)で絵本にっぽん賞、『おばけドライブ』(ビリケン出版)で講談社出版文化賞を受賞。画集やエッセイ『てのひらのほくろ村』(架空社)も。

片山健
1940年、東京都に生まれる。「タンゲくん」で講談社出版文化賞絵本賞を、「でんでんだいこのいのち」で小学館児童出版文化賞を受賞。絵本に「おやすみなさいコッコさん」「だーれもいない だーれもいない」「むぎばたけ」「たのしいふゆごもり」「おばあさんの青い空」、画集に「美しい日々」「迷子の独楽」「いる子ども」、エッセイ集に「わたしの遠足日記」などがある。

Susumu Fujita

20代から庭とこどもと本にとりつかれ、いまだその間を行ったり来たりしている。学生の時は旅人に憧れながらも、卒業後、土から離れられない農民になり、鶏と豚と野菜の中で過ごす。その後、札幌に戻り、絵本屋になる。庭プレス、ひげ文庫主催。