ゴールディーのお人形

両親が残した人形をつくる仕事を続けながら、ひとりで暮らす女の子ゴールディは、人形をつくるときいつも、森で拾った枝を使っています。それじゃないと「生きている」感じがしないからです。ただの人形、と友だちのオームスに笑われてもひとつひとつ心をこめて、ていねいに仕事をしています。そんなある日、お気に入りのお店で、ゴールディーはいままでに見たこともないほど美しいランプを見つけます。そして、すばらしい出会いをすることになるのです……。ー出版社より抜粋

ゴフスタインの絵本は全部欲しいなぁと思ってしまう。この一冊も大切な物語。
本の最後のあとがきにこんな一文がある。
「私が本の中で表現したいと思っていることは、自分が信じるすばらしい何かを作り出すために黙々と働く人の美しさと尊さです。」
「あーそうか」と勝手に納得した。そういうことが少しずつわかるようになってきたからかもしれない。
たとえば、「手仕事の作品」と「商業ベースの商品」との違いは説明しにくい。ゴールディーの人形作りは、使い勝手のいい材木を使うのではなくて、小枝をつかうこと。それから、人形の目に何度も笑いかけること。
「だから?」なんて思う人もいるかもしれないが、違いってのは「こころの使い方」なのだろうと思うのであった。

ゴールディーのお人形
M.B.ゴフスタイン・作/末盛千枝子・訳
現代企画室/¥1,620(税込)/2013.11初版

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M.B.ゴフスタイン
1940 年、アメリカ、ミネソタ州セントポール生まれ、ニューヨーク在住。大学で美術と小説、詩作を学ぶ。卒業後ニューヨークに移り画家として活動。その後、絵本の制作を始め、子どもたちや若い人に向けて、友情、自然、家族、仕事などをテーマに魅力的な作品を数多く発表。主な作品に、『ブルッキーのひつじ』、『作家』、『画家』、『生きとし生けるもの』、『わたしの船長さん』、『ゴールディのお人形』、『ピアノ調律師』、『おばあちゃんのはこぶね』、『ふたりの雪だるま』、『あなたのひとり旅』などがある。

末盛 千枝子
1941 年、彫刻家・舟越保武の長女として東京に生まれる。絵本の編集者を経て、1988年すえもりブックスを設立。以後、タシャ・チューダー、ゴフスタインの絵本、美智子皇后の講演録などを出版。2002 年~06 年までIBBY 国際理事をつとめる。2010年『人生に大切なことはすべて絵本から教わった』を刊行後、岩手県八幡平市に移住し、株式会社すえもりブックスを閉鎖。2011 年3 月「3.11 絵本プロジェクトいわて」を立ち上げる。2012 年より、現代企画室よりシリーズ「末盛千枝子ブックス」がスタート。

Susumu Fujita

20代から庭とこどもと本にとりつかれ、いまだその間を行ったり来たりしている。学生の時は旅人に憧れながらも、卒業後、土から離れられない農民になり、鶏と豚と野菜の中で過ごす。その後、札幌に戻り、絵本屋になる。庭プレス、ひげ文庫主催。