PRAHA

先日、店の入口で大学生の頃によく遊んでいた友人にばったり会いました。店をやっていると、10年振り、場合によっては20年振りという友人に声をかけられることがあり、驚かされます。僕が初めてMacを触ったのは札幌市中央区南15条西17丁目にあった、PRAHA(プラハ)というギャラリー(フリースペース?)だったのですが、よくそこで遊んでいた友人です。当時彼女はおしゃれなバンドのメンバーのガールフレンドで、僕は大学生。たぶん18歳。

僕が21歳で一度札幌を離れたので、それをきっかけにPRAHAにはいかなくなり、札幌に戻って働き始めてからも訪れた記憶がありません。近年は大橋拓さんが中心になって運営されていたのですが、大橋さんは一昨年無くなられました。お若かったと思います。僕が大橋さんにお会いしたことがあるのか定かではありません。挨拶くらいはしたことがあるかもしれません。おそらく時期的にすれ違っているのだと思います。調べてみると、とても行動力があった方のようで、今更ですがお話してみたかったと思いました。

久しぶりに会った友人と話して感じたことは、僕が当然だと考えている「やりたいことをやって生きる人生」は、どうやら当たり前ではないらしいということ。何も特技がなかった当時の僕から見て、好きなように生きているように思えたお兄さんやお姉さんたちは、今、40代、50代になり、好きなことと生きていくことの間で何かしら折り合いをつけているようでした。どちらが正しいということはないですが、僕は好きなことを仕事にして生きていく方法しか知りません。今の18歳にとって、3KGのビルが何か意味のある場所であって欲しいと思います。なぜって、今、ここで起こっていることが、彼らの20年後につながっていることが実感できるから。

Shin Sasaki

デザイナー、D&DEPARTMENT HOKKAIDO のオーナー、一児の父。お酒は飲めません。学生時代にミニシアターで映写技師として働いていたので8mm、16mm、35mmの映写ができるのですが、その技術を活かす機会は20年で1度だけ。