グッバイ、サマー

シアターKINO で Michel Gondry(ミシェル・ゴンドリー)監督の「グッバイ、サマー」を観ました。映画館で映画を観るのは何カ月ぶりでしょう。そして人生であと何回映画館に来られるのでしょう。もう少し映画観に行こう。映画館の雰囲気ってやっぱり最高だなと思うと同時に、二人で3600円って高いなと思いました。

ミシェル・ゴンドリーは、頭に浮かんだストーリーを素直に映画にしていく人なのでしょうね。変わり者の男子中学生2人の夏休みという設定は、5歳の男児の父親である僕にとっては楽しめる内容でしたが、結構観客を選ぶのではないかと思いました。いや、これは子供向けの映画なのかな。この作品が世界各地の映画館で上映されているのはなかなか凄いことだと思います。息子が小学生になったら是非観て欲しいあたたかい作品。

ミシェル・ゴンドリーが ビョーク の Human Behavior のミュージックビデオを監督したのは1993年。当時20代前半だった僕にとって、ビョークの個性はは衝撃的でした。ビョークの個性を映像面で支えていた一人が ミシェル・ゴンドリーで、計8本のミュージックビデオを監督しています(Army of MeIsobelHyper-BalladJógaBacheloretteDeclare IndependenceCrystalline)。長編映画の「エターナルサンシャイン」「僕らの未来へ逆回転」なども含めて流れているミシェル・ゴンドリーのファンタジーと工作少年ぶりのブレなさは見事。大好きな監督です。

ところでこの作品、原題は「Microbe & Gasoline」。素直に邦題をつけると「チビとガソリン」というところだと思いますが、いったいどうやって「グッバイ、サマー」というタイトルに辿り着いたのでしょうね。邦題に趣向が凝らされていると、外国人と映画の話をするときに困ります。「Have you seen ‘Good-by Summer’ by Michel Gondry? 」と尋ねると、「???」ってことになり、「Oh, it must be Microbe & Gasoline!」と返されるのですが、こんどはこちらが「???」。映画の話ってホント難しいです。趣向を凝らした邦題が嫌いというわけではないんですけれど。

Shin Sasaki

デザイナー、D&DEPARTMENT HOKKAIDO のオーナー、一児の父。お酒は飲めません。学生時代にミニシアターで映写技師として働いていたので8mm、16mm、35mmの映写ができるのですが、その技術を活かす機会は20年で1度だけ。