オフェリアさん

女優になろうとしたものの、声が小さく夢叶わなかった小さなおばあさん、オフェリア。それに、体も小さいし、声も小さい。だから、舞台の影から台詞を囁く仕事についた。そこで、彼女は劇場で公演されるたくさんの物語を覚えていく。やがて、劇場が閉鎖されてしまったときに、劇場でさまよう影に出会う。そこからオフェリアさんの旅が始まる。

光と影。光がないと影がわからない。光があるから影が存在する。
影っていうのは本体ではなくて、何かが光によって映し出されてでてくる像だ。
光に向かっているときには、後ろに伸びる影は見えない。
でも、光から目を背けると、自分の前に伸びる影と向き合うことになる。
影をつくる正体は光に映し出された自分自身だ。

ただ、もっと大きな影に飲み込まれてしまうことがある。自分の影よりももっともっととてつもなく大きな・・・。
オフェリアさんにいつか会いたい。
『オフェリアと影の一座』 ミヒャエル・エンデ文 フリードリヒ・ヘッヘルマン絵 矢川澄子訳 岩波書店 1988年10月7日発行

Susumu Fujita

20代から庭とこどもと本にとりつかれ、いまだその間を行ったり来たりしている。学生の時は旅人に憧れながらも、卒業後、土から離れられない農民になり、鶏と豚と野菜の中で過ごす。その後、札幌に戻り、絵本屋になる。庭プレス、ひげ文庫主催。

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