ママ、ありがとう

今回のチェンマイ旅行の目的のひとつは、4月で退職するスタッフの送別会。D&DEPARTMENT HOKKAIDO に通ってくださっている方はご存知かもしれません、僕たちの店には2007年にオープンした時から働いてくれていて、ママの愛称で親しまれている鈴木憲子さんというスタッフがいます。そのママが4月いっぱいで退職します。

コムデギャルソンを軽やかに着こなし、売場にピリッとした緊張感をもたらしてくれるママ。彼女が店にいることを、ずいぶんたくさんの人に褒められました。ママを雇用したことは、僕が下した決断のなかでかなりセンスがよいものひとつ。今ではすっかり日常になっている彼女の存在ですが、オープン当時30歳前後の友達の集まりだった僕たちにとって、百貨店で販売経験を積んだ当時60歳の女性を雇用するのはなかなかの挑戦でした。

いわゆる送別会は、滞在2日目の夜、Saenkham Terrace というタイ料理レストランでのディナー。料理を楽しんでいたら、突然ピアノの生演奏が始まり、気分を盛り上げてくれるというおまけ付き。体調不良でディナーに参加できないスタッフもいましたが、リアリティ番組のような4泊5日チェンマイの旅自体が、壮大なママの送別会だったような気がします。10年前の店の立ち上げについて話しながらママと旅するのは本当に楽しかったし、ママもチェンマイの旅を思い切り楽しんでいるようでした。

ママありがとう。

Shin Sasaki

デザイナー、D&DEPARTMENT HOKKAIDO のオーナー、一児の父。お酒は飲めません。学生時代にミニシアターで映写技師として働いていたので8mm、16mm、35mmの映写ができるのですが、その技術を活かす機会は20年で1度だけ。