庭にきたろばのはなし(1)〜誕生のルーツ〜

ろばのこが誕生するまでのルーツを辿っていくと、「グリーンピース」というおもちゃ屋さんまで遡ります。ご存知の方がいましたら、名前の綴りや詳細情報を教えてほしい!20年以上前の話。当時は、ボードゲームや木製玩具など、ヨーロッパの質の高い遊びの道具はまだまだ認知度が低く、現在と状況が違いました。「グリーンピース」は最初、札幌市北区にあって、それから札幌ファクトリーに移転します。そして、移転後間もなく、店主が体調を崩し閉店してしまいました。ろばのこは、アトリエ ニキティキの創業者西川敏子さんとろばのこオーナーの春義さんとの出会いがきっかけなのですが、グリーンピースが閉店して札幌にニキティキの商品を扱うお店が無くなってしまった。それを受けて、春義さんが一念発起で始めたお店が「ろばのこ」なのです。

西川さんと話して、ニキティキの直営店の吉祥寺の店舗を見てから、札幌に戻って物件を探して、開店したのが「ろばのこ麻生店」でした。当時、ネフ社の積み木を扱っている店舗はほとんどなかったはずです。子どものあそびの道具としての玩具のイメージにくさびを打ち込むようなインパクトがあったと思います。それにしてもグリーンピースというお店が気になります。札幌のおもちゃ屋さんの歴史がまとまった書籍とかあれば読みたい、、。春義さんは、日本にはない「遊びの道具/子どもの玩具」にニキティキを通して出会いました。そして、子どもの遊びを支える道具たちが札幌で見れるようにろばのこを開店します。

「ドイツや北欧を中心にヨーロッパの木製玩具の質が高い」。そのようなイメージが皆さんあるかと思います。それって本当でしょうか?実は、、、ウソ!?、、、いや本当です。ですが、ニキティキが品質の高いものを先立ってきちんと選んで、日本に紹介してきた。そのような仕事の積み重ねの上に、イメージができてきているとも言えます。現地を見て、「ええっ!イメージと違う!?」みたいなことって結構ありますよね。2017年のニュルンベルグの玩具市に出店している数え切れないほどの玩具メーカーの中で、子どもの遊びを支えるような質の高い玩具は2割もない、そういう印象を私は受けました。おもちゃを取り巻く環境もどんどん変化してきています。子どもたちの姿や暮らし、遊びもどんどん変化していってますから当然のことではありますが、いま私たちが子どもたちの身の回りにある環境をどう考えて、用意していくのか?ということは、「ろばのこ」の当初からの変わらない仕事の一つです。

子どもの遊びの道具の「質」を考えて続けていくということ。それは、「質の高いと思うものを選んで紹介し続けていく」という仕事です。そのためには、ろばのこが選ぶものが「まさに今現在、子どもである人たちが遊ぶために必要な道具であるのか?」を、子どもたちに教えてもらいながら、子どもを取り巻く環境を提案していく、そういう仕事です。

0話 庭にきたろばのはなし 〜引っ越してきたろば〜
1話 庭にきたろばのはなし 〜誕生のルーツ〜

Susumu Fujita

20代から庭とこどもと本にとりつかれ、いまだその間を行ったり来たりしている。学生の時は旅人に憧れながらも、卒業後、土から離れられない農民になり、鶏と豚と野菜の中で過ごす。その後、札幌に戻り、絵本屋になる。庭プレス、ひげ文庫主催。

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