受け継がれていくおもちゃ

私が遊んだおもちゃの多くは木製でした。木製のおもちゃは、壊れにくく、長く使えます。もちろん角が取れたり、傷がついたり、色が褪せたりはします。でも、どんなおもちゃもピカピカなのは最初だけ。私は兄が遊んだおもちゃで遊びましたし、私が遊んだおもちゃで、今、甥や姪が遊んでいます。9月号の庭しんぶんのテーマは『時間』。わたしが個人的に時間を感じるおもちゃを集めました。

ネフスピール

ネフスピールは1958年にネフ社の創設者クルト・ネフさんがデザインしたネフ社の最初の積み木。私が小さい頃に家で遊んでいたネフスピールは、20年以上たった今、庭ビルで不定期に開催される積み木おじさんの積み木ショーで使われ、こどもたちを魅了しています。その不思議で美しい形は、点で重ねたり、かみ合うように重ねたり、何通りもの積み方を可能にしています。リグノやアングーラなどネフ社の他の積木と組み合わせて遊べるのも面白いところです。まずは並べてみて、そして積んでみて、他にどんな積み方ができるだろうと考えて、遊びの幅がどんどん広がっていきます。こどもの発想は豊かで自由。一緒に遊ぶと新しい発見があるはず。


キーナーメモリー

木製のメモリーゲーム(神経衰弱)です。30種類の絵柄で遊びごたえがあります。身近にあるものが描かれているので、自分のお気に入りのカードを決めそれと同じカードを集めるなど、まだゲームができない子も遊ぶことができます。2才半頃になると数を減らしてメモリーゲームとして遊ぶことができます。そしてこのカトリン・キーナーさんの可愛らしい絵は額にいれて飾っても素敵です。小さい子から使うこのメモリーカード。木製だから破れたり剥がれたりすることなくずっと使い続けられます。子どもが遊び、飾り、それがまた次の子へ手渡され、ずっと使い続けられるのも魅力の一つです。


シロフォン付き玉の塔

ドイツのベック社で作られているおもちゃ。今ではこのように上から玉や人形が落ちていくおもちゃは多くありますが、この原理をおもちゃに取り入れたのはベック社が初めてだと言われています。私自身が遊んでいた記憶があるのは3才頃。連続で玉を転がし続けたり、大きな玉をストッパーにして玉をためていき一気に流して遊んだり、夢中になっていたことを今でも覚えています。姪っ子や甥っ子が遊んでいるのを見ると、1才頃から小さな玉をつまめるようになり、小さな穴にぽとんと入れて遊ぶことができるのがわかります。自分が入れた玉がころがって、きれいな音がなるととても嬉しくなります。作りがしっかりしているので自分が遊んだおもちゃをそのまま自分の子どもまで世代を超えて遊ぶことができます。自分が楽しみ思い出がつまったおもちゃを自分のこどもが遊びまたそこに新しい思い出ができてく。いろんな人のいろんな思い出が詰まったおもちゃというのも素敵です。


ミッキィ社 汽車セット

レールは木製、ジョイントの部分はプラスチック製で取り外しができ、とても遊びやすいです。汽車が自動で走るのではく、手で動かすのがいいところ。好きなスピードで好きなところへ移動でき、行き過ぎたらバック、途中で止まってお客さんを乗せるなど、ただ走らせるだけでなくそこには物語が作られていきます。基本のセットはありますがパーツを買い足していくこともできるため、どんどん広げていくことができます。私の兄も子どもの頃遊んでいました。どのようにつなげると自分が思っているようにレールをつなげられるか考えながら遊んでいたとか。甥っ子も同じ汽車セットで遊び、今は次遊ぶ人のために大切にとってあります。

Towa Fujita

庭ビル2階のろばのこ店長。ろばのこにあるおもちゃで遊び、絵本を読んでもらって育ちました。今も児童書をずんずん読んでいます。一緒に絵本、児童書を楽しんでくださる方募集してます。