2017年7月、庭ビルは誕生しました。きっかけは、おもちゃと絵本の専門店ろばのこが移ってきたこと。その時から、このビルを「庭ビル」と呼び始めました。かつては倉庫に使っていた堅牢な3階建てのビルディング。ここにデザイン事務所3KGがD&DEPERTMENTのフランチャイズ1号店「D&DEPERTMENT HOKKAIDO by 3KG」を開いて10年。
改めて、ビルの名前を考えるときに「庭」と名付けたのは、自分たちの手の届く場所で、自分たちの好奇心や関心に合わせて、自分たちなりの表現で、コツコツと育てていきたかったから。庭というのは、場所を指すだけではなく、そこにある関係性や営みを含みます。動植物が人の営みと重なり合うのが庭という空間だからです。
そこには、「育てる」という営みが必ずあります。それは、樹々や草花、鳥や虫たちとの関わり。そして、野菜や果樹を育てること。それを食べたり、飲んだりしながら、人と過ごすこと。それは庭を拠点におこなわれる、地球とと自分と動植物を結びあわせていく営みです。
わたしたちは、庭づくりから始めました。実際に、屋上で庭を作っていますが、それと同時に、もう少し視野を広げて、社会にある様々な結びつきを、自分たちに合わせて、いろいろな関係を結び合わせる。もしくは、結び直す。その営みの繰り返しが、庭ビルの庭づくりです。
手を動かし、身体を動かして、世界を感じること。そして、少しでも心地よく整えていくこと。頭をしっかり使って考え続けること。人に対して、親切であること。そして、こどもとこの世界を分かち合うこと。
いま、わたしたちが育てようとしているのは、そういうことが起こる庭です。