望月通陽(もちづきみちあき)さんの線画に、谷川俊太郎さんが詩をつけた「せんはうたう」という本が素敵です。ゆめある舎という小さな出版社から出版されていて、先日、息子も僕も大好きな札幌のおもちゃと絵本の店、「ろばのこ」で見つけました。
「せんはうたう」ですが、すべてひらがなで書かれていることに注目すると、就学前のこども向けの本と言えるかもしれません。実際に手に取った印象としては大人向けの本。印刷は d design travel 富山号に登場した、山田写真製版所の熊倉桂三さんが担当し、美篶堂(みすずどう)で手製本されていて、明らかに量産されている本とは異なる、紙と印刷の味わいがあります。詳しいことはゆめある舎代表の谷川恵さんが書かれた製作日誌を読んでみてください。
本当に素敵な本だと感動したにもかかわらず、購入しませんでした。なぜ買わなかったのかを後から考えてみると、こどもの本として製本がやや繊細過ぎると感じた、1800円の絵本は高いと思った、部数限定(とは書いてなかったけど製本から明らか)に反応することに少し抵抗があった、自分で欲しいというより贈り物かなと思った、というところ。
贈る相手がすぐに思いつかなくても、誰かへの贈り物として購入しておけば良いのかもしれませんね。